日々是憂日

日々是好日ー人生は好い日ばかりがつづいているかな?をちょっと逆転してみると見えてくる日々のことを綴る

昔・・・

昔むかしのはなしでございます

老婆がまだ

高校生だったころのこと

満州から引き上げてきたという

転校生がおりました

数学はもちろん

あらゆる学科に飛び抜けていて

しかも飛び抜けて美しい少女でありましたが

彼女を賞賛する人と

いろいろ悪口を言う人が

おりました

悪口を言う人は

決まって

とても美しいとは言えない

人や劣等生でした

しかも彼女らは

自分らはあいつより

優位に立っているんだ

あいつはただの引揚者じゃないかと

見下げようとふんばっていました

劣等感のかたまりのような

人たちでした

優秀な彼女はのちに

某国立大学の

医学博士になりました

老婆がふっとこんなことを

思い出したのは

日本という「敗戦国」が

実は「優秀で世界にときめく国」になったのを

ひがんでは悪口を言い続け

「謝れ謝れ」を繰り返す

劣等感のかたまりみたいな

国が「同級生」の中にいるってことでした

しかもその敗戦国のおかげで近代化したものだから

劣等感はますますふくれあがって

もう歯止めが利かないのです

遂には天皇まで持ち出して・・・

でも・・・

あの医学博士として活躍した

彼女が

そんな些細な悪口なんかには

微動だにせず

自分の道を突き進んだように

日本もまっすぐ自分の道を

突き進んでいきたいと

老婆は祈るような気持ちで

おりまする