日々是憂日

日々是好日ー人生は好い日ばかりがつづいているかな?をちょっと逆転してみると見えてくる日々のことを綴る

孤独死

老婆は

孤独死

覚悟しておりまする

老婆には

愛する息子たちがおり

かわいい孫もおりまする

彼らは遠くに住み

老婆はここから動こうとは

思いませぬ

同居は老婆の魂を

寒がらせますし

細胞の自然な動きのように

老婆ははみ出ていくのです

息子たちに甘えて

彼らがくるまれている

まゆのなかに

割り込んでゆくほどの

心臓を

老婆は持てないので・・・

孤独死は決して

悪いものではありませぬ

ただ心配なのは

屍体発見が遅れて異臭が

近所に流れて

大迷惑

これだけが気がかりなことで

あとは・・・

そうです

同居している老人のほうが

自殺率が高いのは

ごく当たり前のことなのです

彼らは疎外感に耐えられなく

なるのだと思います

しかもどこにも

逃げ場がない老人たちなら

遠い花園の国に行こうと思うのも

ごく自然なことなのです

別に息子や娘たちには

親を疎外しているつもりはないのです

けれどもこれは

心情の問題ではなくて

構造の問題ですから

そこんとこを

老人たちはしっかり認識しましょうよ

だから老婆は

決然と孤独死に立ち向かうつもりです

正月には

息子たちは奥さんの実家で祝います

それも日本が

母系社会ですから

よしとすればいいのです

老婆は息子が生まれた日から

このことを覚悟しておりました

母系社会日本だから

息子は妻の実家に取り込まれて

当然だしそれでいいと。

息子が生まれた日から

老婆の覚悟は決まっていた

のでございます

孤独死、と。

そして孤独は辛いものと

相場が決まっているように

思われますが

いやいやどうして・・・・

孤独ほど

甘い蜜はない

のでございますよ。