浴槽で死ぬ
大俳優も英雄も大学者も
死はどこに訪れるかわからない
と
つくづく思った平幹二朗氏の死
浴槽にいるとき老婆は思います
ここで死んだらこの老いぼれた
裸体のままだ・・・
それだけはいやだな
と
そして無事に風呂場から出ると
ああ、今日は無事だった
と
本気で思います。
一人暮らしの老女が
浴槽で死んだら
屍体は・・・
想像するのもいやです
が
真実は
隠すことができません、
死はなんとも平等で
年収一億の人も
年金が少なくて国から
わずかに一時金を
恵んでもらう人も
浴槽の死が待ち構えているかも
しれないと思うと
せめて
服を着たまま
そして
死後数時間くらいまでには
発見されたいなと
今はそれが「のぞみ」でございます。