日々是憂日

日々是好日ー人生は好い日ばかりがつづいているかな?をちょっと逆転してみると見えてくる日々のことを綴る

虎の敷物

明治生まれの伯父は

昔、満州、熱河という街で

陸軍病院の院長をしていたそうで

敗戦となったときに

引き揚げが始まると

地元の住人たちが大挙してやってきて

どうか帰らないでくれと

懇願したというのです。

これは無口な伯父が語った話の一部。

でも帰らなくてはならない

とわかると

住民たちはなんと「虎の敷皮」を

贈ったのです。

戦後間もない頃、伯父の家に行くと

この虎の敷物が

広い座敷に敷いてありました

これは

日本の陸軍病院

地元の人たちに

暖かい治療を提供していたことを

物語っています。

あの南京でも

人口が増え、穏やかな表情の

街の人たちの写真が残っているのは

ほんとのことを語って

いるのだと思わずにはいられません

あの虎の鋭い目が

そう語っています・・・