妻の実家へ

都内に住むある高齢婦人が言いました

息子んちはね、近くにあるのよ

でもさ、正月に彼らが妻の姉妹と

一緒に集まるのは「妻の実家」なのよ。

私はさ、一人ぼっちなのよ、

そりゃ、悲しい面もあるわ

置いてけぼりだもんね。

毎年、恒例だから彼らは無邪気に

同じ都内の「妻の実家」に集まるわけ。

そこへ行くと従兄弟たちと遊べるから

子供達には天国なのよ。

私のような一人暮らしのおばあさんちに来たって

退屈なだけだもんね。

寂しいって言えばそうなんだけど

考えても見てよ

どかっと家族が遊びに来たらさ

食事とかなんとか大変よ

二日目には孫たちはちょこっと来るの

当然のようにお年玉が目当て。

もらったらさっと帰るわよ。

それでもいいと思うの

食事の用意もしないから経費はかからない

手間も省ける

そして私自身の趣味に生きてれば

寂しさもないわよ。

私は私の友人と遊ぶわよ。

「妻の実家」に行ってくれることは実は

とても楽ないいことなのよ。

だから

私、ひがみではなく

心から一人正月をのんびり過ごしたわよ。