日々是憂日

日々是好日ー人生は好い日ばかりがつづいているかな?をちょっと逆転してみると見えてくる日々のことを綴る

読書

家守綺譚

梨木香歩「家守綺譚」は ファンも多いようですね。 私は巻頭の1行に魅せられました。 明治か大正時代の「学士」 といえば 今の無数のへなへな「学士」とは 違って 気品と知性に満ちていたから。 その学士の気品ある文章が 幻想の中に入っていき 作者はこれを…

そこへ

ひとはある読書をして その舞台へ行ってみたいと 思うもののようですね。 梨木香歩「家守綺譚」を読んだら ここは全体どのあたりであろうかと ーーすでにこの作品に同化した語り口ーー 思ったらすでに地図まで書いて 想定した人をネット上に見つけました。 …

15-3=・・・・

155000人のうち 生き残ったのは31000人でした。 124000人・・・ あの戦争でビルマ(今のミャンマー)で 戦った日本兵士の死者の数・・・ これは津本陽『泥の蝶』からです。 ものすごい聞き取りと資料調査の上で 書かれたこの本を読んだ後 老婆は日本に問いかけ…

読書のタネ

昔、司馬遼太郎をむさぼり読んで それから藤沢周平をすっかり読んで なんども読んで 宮城谷をほとんど読んで 内田康夫もだいたい読んでしまって 浅田次郎も読んで 永井路子も読んで 網野善彦も読んで それらは「夢中になれる」読み物だった のです。 単発で…

シュウカイドウ

明日死ぬとわかっていても 「木を植える」男の物語を 読んだような記憶・・・ 庭の片隅に私はシュウカイドウを 植えました。 そう、明日、死ぬかもしれないのに。 かわいい花です、 いかにも日本独特の花のように ーーほんとはマレーシアあたりの原産ーー 片…

本を読む

去年は「内田康夫」にはまった 面白い年でした、ので 旅先のBookOffで同じく 「殺人事件」を扱う推理小説 山村美沙の「天橋立」なんたらというのを 百円で買って新幹線に乗り込み さて読み始めて驚いたのなんの あまりの稚拙な文章についていけず 1…

嫉妬

ここ数日テレビのない生活を していると、やっぱり 読書はできるものですねえ。 ずっと浅田次郎『中原の虹』を。 このなかに西大后のことで 「嫉妬。神は持たず。・・・施政者たるものがみな神の国をめざしながら、けっしてそれを実現することができないのは…

萩尾望都

今まで触れたことの なかった「少女漫画」 萩尾望都・・・ そんじょそこらの 「童話作家」なんか 真っ青の メルヘンの世界が 目もくらむほどに 広がっていました。 読んだきっかけは 浦沢直樹氏の番組 でした 老女初めての 「少女漫画」の世界 でございまし…

結婚ーという縛りー

草思社の「女盗賊プーラン」 という本は衝撃的 です。 インドでは「結婚」という 「縛り」が恐ろしいほど。 しかも「盗賊」から 国会議員にまでなった この女性は 今の時代の人ですから。 十一歳で無理やりの「結婚」と 暴力、虐待 しかも女のほうから 「婚…

蒼穹の昴

浅田次郎「蒼穹の昴」 いやあ、すごかった。 漠然としか知らなかった 清王朝末期のこと 西太后は悪い意味で凄い女傑 と思っていたのに まったく違う視点で 書かれていたし こんなところに伊藤博文が 登場するし ラストにちょっとだけ 毛沢東が顔を出すのも …

蒼穹の昴

浅田次郎『蒼穹の昴』 またどうして浅田氏はこんなに 満洲に通じているの? と、まずは驚嘆しました。 今ちょうど李鴻章の出現を読んで いるところですが いつのまにか 現在のCHINAを思い浮かべつつ 読んでいました。 軍と官僚の腐敗をよそに 彼は自費で軍隊…

ドキュメントの面白さ

旅をしてきました 新幹線の中とか 旅先でずっと読んでた本が 二冊、偶然にも二つとも 自分の「母」を語りつつ 素晴らしいドキュメントになってて その時代が映像のように 見えてくるし 家族の、とりわけ 母の 素晴らしさ、強さ、偉大さ そして哀しさまでも …

流転の王妃

泣きました 流転の王妃 愛親覚羅浩の自伝。 日本帝国が 満州という架空の国を作り 清朝最後の王の弟 溥傑に嫁がせ そこに日本人の 血を混ぜ込もうという 完全な 政略結婚にもかかわらず 稀なる夫婦愛に生きた 激動の物語 とりわけ長女の悲劇 天城山中の心中…

平塚神社

内田康夫に 傾倒している昨今 とうとう西が原の平塚神社に 行ってきました。 もちろん平塚亭の饅頭も 餅も買いました。 光彦さんが打ち合わせに 使う店のちょっとした お休み席も見てきました。 それがどうした というわけでもないけれど こないだ読んだのは…

役に立たない

役に立たない 学問ってものが この世にはいっぱい あるのかもしれません 例えばある人は ドイツ中世の詩の 研究をしていますが それってなんの役にたつの でしょうか。 って 尋ねる人も多いでしょうね。 こんな学問は役立たずです 今の世の中の 利益には な…

母よ

96歳で 逝った母よ ぎりぎりまで健康だった けれど 最後は転倒して骨折して 入院してから 明るく開放的なあなたの 性格が 奇妙に歪んで 最後は病院中に 聞こえるような あーあーと声をあげて みんなに迷惑がられ 看護婦さんが しもの世話をするとき 私らに出…

蔡焜燦「台湾人と日本精神」

蔡焜燦氏 人生の前半生は 日本人でした そして日本が敗戦後 GHQの見事な教育によって 日本人が「日本精神」を 徹底的に否定し去った後も 台湾には GHQが入らなかったので 「日本精神」は純粋な形で 残っていました それは「公」の精神 しかしこの精神が 戦争…

密航

濃密なドキュメンタリーです でも敢えて 本の名前は伏せておきましょう ただただ驚いたのは 著者が命を賭けて書いた というすごさは今日は措いて このなかでしばしば 出てくる「密航」という言葉・・・ AもBもCも簡単に「密航」して 日本にやってきました 済…

自己カウンセリング (2)

自己カウンセリングは 効果満点! たとえばこういうことが ありました、 お嫁さんが 二年生の孫に 算数を教えているのを 目の当たりにしたとき・・・ まあなんともせっかちで ヒステリックで 大声で 聞いてる方が 耐えられなくなって 逃げ出した・・・ それで…

「自然」を愛さない日本人

富山和子氏の 著書の中で 明治になって 電信柱をつけるというので 日本人はどしどし 東海道の松を 切り倒して いったそうな、 あまりにひどいと それを止めたのは なんと フランス人だったそうな。 一里塚の名残の松は ほとんど姿を消したし 街道の景観はき…

太陽光発電

森が消えていきます・・・ 山梨県の 深い美しい森が 無惨にも 裸にされているのを あちこちで見たら 胸が痛みました、 無惨です 何百年もの森が あっという間に消えて むき出しの 太陽光パネルが・・・ 菅元総理は絶賛していますが 地元の人のある本音は 小…

幼稚園大国

まだまだ内田康夫に はまっている老婆です 「明日香の皇子」は ちょっと意外な作品でしたが 奈良、飛鳥地域の 乱開発に怒りを ぶつけていました。 それでもまだ 飛鳥地域は 守られていると 書いてはいますが・・・ 日本国中あちこちの 観光地に立てられた 看…

ナチスと日本

老婆は 思うのです、 日本に ナチスはいたかと。 軍国主義が はびこり 言論の自由はなかった 暗い時代には 違いなかったし 国民は飢え 財閥は栄華を誇り でも ナチスはいたか と 老婆は思うのです。 ヒットラーはいたか、 アウシュビッツは あったか。 日本…

「感じ悪い」

老婆も ご多分に漏れず 今はどうしようもなく つまらない テレビを それでも 見たりするのです。 そして昨日 国会の中継を見ていて びっくりしたことが・・・ 野党の議員たちが いっせいに テレビカメラに向けて 安倍総理の 「強行」採決 ーー強行という言葉…

姑さんびっくり(その2)

姑Bさんが語ってくれた こんなエピソード あるとき 孫たちをあずかって 下着の洗濯もして さて おヨメさんが 迎えに来ました。 「下着洗っといたよ」 というと おヨメさんから出た そのときの返事は 「大丈夫です、⚪️⚪️で洗いなおしますから」 えっ? ⚪️⚪️っ…

教室の亡霊

内田康夫「教室の亡霊」を 読んで 思い出しましたぞ、 この町に引っ越して すぐ 「保母さん一人あたり400万」 って聞いたとき なんのことかと思ったら 町の人が当たり前みたいに しゃべっている 賄賂のことでした。 また昔 大阪のある女教師が 日教組で 活躍…

洟を垂らした神

涙とともに 読んだ本に 吉野せい 「洟を垂らした神」 が ありました。 惹かれるように 息子に頼んで いわきの 水石山へ 行きました。 頂上からは 海が見え 晩年、吉野せいもまた ここから 海を眺めたのだなあと 感慨深い ものがありました。 頂上近くに 本を…

運命の同居

同居したくなくても せざるを得ないのは 運命としか 言いようが ないですね。 おヨメさんにとっても 姑にとっても 過酷な それはもう 運命としか 言いようがない と 思いますーー 例外は必ずありますがーー 昔 同居が当然だったころ おヨメさんも 姑も どん…

遠き宿

その昔 若かりし日 奈良は 博物館のそばに あの宿があった。 19歳のある年には 友人と二人 台所に 寝かせてもらったな。 あるときは ぎしぎしきしむ 二階の部屋で 男たち三人と 泊まったり したけれど 清潔なままで 夜を明かしたのは 当然のことのようだった…

遠き仏像

若かりし あの日見た 奈良は 法隆寺で ずらりと並んだ すぐ目の前に 国宝級の 仏像たちのなかに あのお姿が ありました。 ほっそりとして 直立不動の硬さは なくて どこか やわらかに 地上ではなく この世ならぬ 空間を 歩んでいらっしゃる ような 軽々と こ…